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日本のこころ

武蔵野市立吉祥寺美術館へ行きました。
JR吉祥寺駅から歩いて3分ほど歩くと、
伊勢丹の別館7階に美術館はありました。
お買物も美術もいっしょに楽しむことができますね。

土門拳写真展 「日本のこころ」  
土門拳
NikonD50 Nikon AF NIKKOR 28-80㎜

武蔵野市と友好都市である山形県酒井市にある土門拳記念からの
120作品がテーマ別に展示されていました。
「風貌」では、各界の著名人のポートレートが並び、
彼のライフワークとなった「古寺巡礼」、
絶対非演出の絶対スナップの最良の成果というべき「筑豊のこどもたち」、
婦人公論の表紙を飾った「女優と文化財」、
そして、日本の風景、日本の職人などの「傑作選」と、充実の内容でした。

特に私が気になったのは、「女優と文化財」です。
1964年から65年、東京オリンピック開催など
「日本」 を世界にアピールし始めた時代に、
雑誌 「婦人公論」 の表紙を、日本の文化財と女優が飾りました。
簡単に言うと、仏像、日本建築などと女優のポートレートのコラボレーションです。
最初は土門氏はこの企画に乗り気にならなかったようなのですが
編集者の熱意が届いたのか、やっとのことで承諾されたそうです。
「女優を泣かすことになるがいいか」(こわ。。。)と、お返事をされたらしく。
衣装担当、森英恵さん。たいへん豪華な顔ぶれ、豪華な企画です。
さすが女優の皆さん、キレイなお洋服を素敵に着こなしてました。
「赤」の服が多かったのは、アピール、アピールの熱い気持ちのせいかな。

吉永小百合さんと深大寺釈迦、司葉子さんと臼杵石仏、三田佳子さんと石庭など
一瞬合成かと思うほど、女優、文化財 それぞれに「主張」がありましたが、
かつ、ミスマッチのようで、そうでない。
意外性。リアル。独特のおもしろさ。
ずらり並んだ婦人公論(実物)の表紙に
戦後から高度成長期の動向、夢、希望、活力、
「日本」という誇りや決意、心意気、そして、ちょっとの過信?
そのような意識を感じました。
女優と文化財、の雑誌の表紙を観ているだけなのにね。なぜかしら?

そういえば、土門氏の「カラー」写真を観たのも、これがはじめてでした。
なかなか なまなましい「カラー写真」でしたよ。

今年のお正月、京都・東寺の 「帝釈天」 に見とれてしまいまして。
象の背中に乗ったととってもハンサムな仏像です。
なんでも仏像界のプリンスと呼ばれているくらいファンが多いようです。
お寺内の売店でも、帝釈天の顔拡大ブロマイド写真が販売されていました。
で、その「帝釈天」!やっぱりここでも土門氏に起用されてました。
有馬稲子さんが覗き込むように「帝釈天」を見つめている写真。
いつもはきりりとした表情の「帝釈天」、美しい女優に見つめられて
照れ隠しのために、がんばって きりり顔を保っているようにも感じられました。
撮る人=土門氏によって、仏像の顔に変化があるように感じられるなんて、
すごいことですよね。


さて、土門氏はこの「女優と文化財」シリーズを撮るおよそ10年前に
「リアリズム写真とサロン・ピクチュア」についてこう述べています。

「とにかく、リアリズムの写真は、
絶対非演出を前提にしたスナップ撮影を基本的な方法とする。
それは昔のいわゆるスナップ写真の狭く限られたモチーフに適用される
一分科的な特殊の技術とは違って、
風景、人物、静物、一切のモチーフにその精神がしみとおるものとしてである」
「絶対非演出の絶対スナップ」こそ、「カメラとモチーフの直結」だと述べています。
福岡・筑豊地区で撮影された「筑豊のこどもたち」(1960年)は、まさにコレです。
ザラ紙に印刷されたこの写真集は、100円で販売され10万部も売上げたそうです。

一方、彼が全否定していた「サロン・ピクチュア」について。
「写真で絵画を模倣したり、モデルに演出してお芝居をやらせたりするような道楽であり、
現実に背を向けた精神的マスターベーションである」
となると、
この「女優と文化財」という企画は、どちらかというとサロン・ピクチュアよりでは?むむ?
これは「非演出」ではなく、「演出」の範疇であるような?
リアリズムって?

ただ、土門氏の数度の脳出血に倒れながらも、
仏像や建築物撮影を続けていた、ということを考えると、
合点がいかないわけでもありません。
従来から撮っていた日本の各界著名人のポートレートも「リアル」であり、
古寺巡礼における仏像、建築などの文化財も「リアル」であります。
これらのコラボレーションとしての企画が「女優と文化財」であるとすれば、
初めは拒みつつも、「女優」のポートレートと「文化財」を一緒に撮るというのは、
非演出とまでは言えないとしても、自然の流れだったのかもしれません。
「女優と文化財」も、氏の「リアリズム写真」という大きな幹から派生した
一種のリアリズム写真になるのかもしれません。



「リアリズムはカメラという名の四角く冷たい機械の中にあるのではなくて、
写す人間そのものの世界観と表現方法の中にひそんでいるのである」

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  1. 2008/01/26(土) 23:20:57|
  2. 写真
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  4. | コメント:2
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コメント

Re: 日本のこころ

おかえりなさいー
(東京からこう言うのもなんかへんかな 笑)
おつかれさまでした!

酒田の美術館は素晴らしいですよね。
吉祥寺にいくと大きな垂れ幕がおちていて
僕もきになっていました。

奈良の室生寺の土門さんのカラー写真はなまなましく
とても印象にのこっています。

ぼくは十二神将が大好きで
(こんなこというと引かれるかな)
東寺の十二神将の作り込みもすごいですよね。

奈良の室生寺と京都が住所だけど奈良からバスでいく
浄瑠璃寺がとても好きです。
  1. 2008/01/27(日) 10:43:07 |
  2. URL |
  3. なな #-
  4. [ 編集]

Re: 日本のこころ

ななさん
ただいまです(笑)帰りの飛行機の便も天候のため変更するなどの波乱万丈な旅でした。たのしかったです~

ななさん酒田市の記念館にも行かれた事あるのですか?
うらやましい。山形県への旅もいつか実現したいです。
土門さんのエピソードなのですが
「よく皆が疲れたというが、オレにはそれがどういう状態なのか、理解できないんだ。疲れたと思ったことがまだ一度もないんだ」と1914年の「文楽」を撮影中にそう語った、らしく。
いかにエネルギー溢れる方だったのか、というのが伺えます。すごい。

東寺、いいですよね。十二神将も見事なつくりです。
メキラとかクビラ、シャトラとか名前もすてきですよね。

室生寺と浄瑠璃寺、まだ行ってないんですよ。次回の探訪地に決定~!です。ななさん、いろんな情報いつもありがとうございます~。
  1. 2008/01/27(日) 11:24:59 |
  2. URL |
  3. akiyasu_sukiyasu #TJwWj8Lg
  4. [ 編集]

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