台風、熱帯低気圧がゆっくり日本列島をすすんでいるようです。
「台風」と書くのは代用漢字。辞書等には「颱風」と載っています。
9月の台風に我が家の屋根の一部を飛ばされたこともあります。
18日の夕方の空。きれいな夕焼け。嵐の前の空は美しいです。
電柱にランプシェード?
バイオリニスト葉加瀬太郎さんの大好物、麻布十番のスーパーナニワヤの牛のたたき。
海外に赴きローストビーフを食しても、ナニワヤさんの味に想いを寄せるのだそうですよ。
麻布十番なのに、どうして「ナニワ」なの? その理由はこちら → スーパーナニワヤ
南麻布に昔からあるというパン屋さん、「ALLEZ FRANCE(アレ フランス)」のラスク。
バケットの上にアーモンドた~っぷり。お値段もとてもお手ごろ。これは姉の好物です。
どちらも贈答品用ではなく日常の味。当然ながらごくごく簡易な包装です。
牛のたたきは、普通のお肉のトレイにラップ包装、ラスクはビニール袋詰め。
「日常をたのしむ」のであれば、過度な包装や飾りはイラナ~イですよね。
食べものも、装いも、言葉も、心身のあり方も。
毎年9月のお楽しみ、勝沼のおいしい葡萄が届きました。
1番上は「甲斐路」 甘みが強くて、とってもおいしい。山梨を代表する葡萄です。
2番目は「ピオーネ」 巨峰よりもやや大きめで果汁たっぷり、種無し。コクがあり甘いです。
3番目が「ピッテロビアンコ」 イタリア原産、別名レディースフィンガー(淑女の爪)、皮ごと食べれます。
この3番目が特にお気に入りです。淑女の爪を食するって、なんだかすてきじゃあありません?
9月。日中は夏の名残を感じつつ、朝夕は随分涼しくなりました。
芸術の秋、スポーツの秋、食欲の秋、読書の秋、の到来です。
今読んでいるのは、三國連太郎さんの本を3冊。三國氏は俳優のみならず、小説家でもあります。
このところ「空(くう)」という言葉に出会うことがたまたま重なっており、『三國連太郎 沖浦和光対談』の上巻「浮世の虚と実」の中でも「空(くう)」についての記述がありました。なんていうと、なにやら難しい本のように感じてきますが、なんのなんの、お二人の対談は、実に雄雄しい言葉に満ちております。仏教や哲学の話の他、芸能・芸術について、男と女について、旅について。下巻の「芸能史の深層」では、日本民族・文化の源流が紐解かれ、折口信夫の芸能始原論の引用も興味深く感じられます。
孔子は『論語』の中で、人間の最もすぐれた境地は「仁に依り、芸に遊ぶ」ことだと述べているんだそうです。おほほ。
(ちなみに孔子の言う「芸に遊ぶ」=「遊芸」という言葉は、私たちが思っているより、思想史的にはずっと意味深長で、「芸」もシャーマンが執り行う神事であったそうですが)
さとさんのところでもコメントしたのですが、おススメの本を2冊。
まずは、坂口安吾氏の『堕落論』。おもしろいんだなぁ、坂口氏。氏は幼稚園の頃から型にはめられるのを嫌い、ほとんど通園せず、ひとりで街々をさまよい歩いていたそうです。家では新聞の連載講談を読んでいたという5歳児。。。また、自分の初の子供の誕生の知らせを聞くのは、飲酒酩酊して留置所から出てきたところだったそうです。壇一雄氏曰く「おびただしい精神の贈与を、乱雑に、また惜しげもなくドカドカとバラまき与える人であった。その果ての、あの激烈な孤独の表情を忘れられるものではない。」
「恋愛とはいかなるものか。私はよく知らない。そのいかなるものであるかを、一生の文学に探しつづけているようなものだから。
誰しも恋というものに突きあたる。あるいは突きあたらずに結婚する人もあるかもしれない。やがてしかし良人(おっと)を妻を愛す。あるいは生れた子供を愛す。家庭そのものを愛す。金を愛す。着物を愛す。
私はフザけているのではない。」
「昔、切支丹(キリシタン)が初めて日本に渡来したころ、この愛という語で非常に苦労したという話がある。…日本の武士道では、不義はお家の御法度で、色恋というと、すぐ不義とくる。恋愛はよこしまなものにきめられていて、清純な意味が愛の一字にふくまれておらぬのである。切支丹は愛を説く。神の愛、キリシトの愛、けれども愛は不義につらなるニュアンスが強いのだから、この訳語に困惑したので、苦心のあげくに発明したのが、大切という言葉だ。すなわち、「神(ゼウス)のご大切」「キリシトのご大切」と称し、余は汝を愛す、を余は汝を大切に思う、と訳したのである。」
「…さすれば、バカを怖れたもうな。苦しみ、悲しみ、切なさによって、いささか、みたされる時はあるだろう。それにすら、みたされぬ魂があるというのか。ああ、孤独。それをいいたもうなかれ。孤独は、人のふるさとだ。恋愛は、人生の花であります。いかに退屈であろうとも、この外に花はない。」 (「恋愛論」より)
もう1冊。全国の本屋さんの店員さんの間で好評らしい、ということで読みました。本の表紙からすると全くをもって、私っぽくないのですが、瀬尾まいこさんの『卵の緒』。これはうるうるものでした。へその緒でなくて「卵」の緒。読みながら私も卵の緒が欲しいと思いましたよ。もう1篇収められているのが『7’s blood』で、こちらの方が私好みです。読みながら思い出したのは、映画『誰も知らない』。話そのものの背景などは異なるのですが、似たようなにおいがする場面があります。主人公は、七子と七生。異母姉弟。弟・七生は姉・七子のことを「ななちゃん」とよびます。(←ななさんを彷彿)
巻末のあさのあつこさんの解説にもあるのですが、瀬尾さんの作品には食事の場面がたくさんでてきます。食卓を囲むこと、いっしょにごはんを食べることの幸せをしみじみ感じてしまいましたよ。
半世紀頑張ってきた職場の建物も老朽化が進み、この秋から建て替えのため取り壊しが始まります。今もなお、木造建築が残る旧館は、私のお気に入り。階段の1枚板の木目模様、木枠の窓、かちゃかちゃと閉める鍵、ドアノブ、照明など、このままただの「古いもの」とみなしてしまうのではなく、アンティーク、文化財として保存してゆくのも素敵なのではないかと思わないでもありません。しかし、いろんな規則や理由、事情のため、建て替えは必須なのであります。
秋からの建て替えが決まってから、クーラーが壊れたり、雨漏りがあったり、が続きました。建物が壊さないでよ、って言っているような気がしていました。
取り壊しが始まる前に建物の記録写真を撮る予定です。
写真は職場の忘年会での1枚。ジャニーズに扮した男女6人組み。この1秒後正面に向かって見せてくれた笑顔は最高!でした。
Author:akiyasu_sukiyasu
福岡在住です。改めてよろしくお願いいたします。